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謙虚な人に情報を教えたくなるのが人間(曽野綾子)

私は昔から、カトリックの信仰を基準にした教育を受けた。
神の前には、人間世界の地位や名誉や財産など、全く無意味なものだ、という意識を徹底して育てる教育である。

私たちは、やや昔風の言い方だが、「王様の前でも乞食の前でも、等しく同じ態度で接する」ことができるようにしつけられてきたのである。

つまり、偉い人だからといって、その前に出ると萎縮して自由にしゃべれなくなることもなく、乞食の前に立ったからといって急に相手を見下すような無礼な態度もとらず、同じように礼儀正しく、人間として誠実に、あたたかい心で接することができるように、ということであった。
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総じて威張る人というのは弱い人たちなのだ。

威張るという行為は、
外界が語りかけてくる様々な本音をシャットアウトする行為である。


しかし、謙虚に一人の人間として誰とでも付き合うと、誰もが私にとって貴重な情報を教えてくれる。それが私を成熟した大人に導いてくれる。