近しい人との距離の置き方(「悩みのるつぼ」より)

近しい人との距離の置き方

またまた朝日新聞の「悩みのるつぼ」ネタです。
今回の相談内容は「母が嫌で帰省したくない」

回答者は美輪明宏氏です。

内容は、相談者の母親が非常にヒステリック、他人に非常に厳しく、すぐに人をののしるような人。
自分の母親であるのに、とても人間的に尊敬できず、当然仲良くもなれない。自分は聖人君子ではないので、受け入れることができないのでどうしたらいいのか、という相談。

論点は二つあると思います。
まず、
①このような人間性の人とどう向き合うか。
②近親者としてどう付き合っていくか。


それに対する美輪さんの回答。
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私も、あなたの母親のような人を知っています。
凶悪なものが骨の髄まで組み込まれていて、周囲に当たり散らします。
治りませんし、治しようがありません。

お母さんは、家族だけではなく、他人にもキツイ人で、あらゆる集団で蛇蝎(だかつ)のごとく嫌われてきたでしょう。
「それならとことん悪人になってやろう」と自縄自縛に陥り、自分で自分をおとしめている可能性もあります。

そうした人は誰にも救えません。自分の反省心でしか立ち直れないのです。

また、近親憎悪というのはとても強いものです。
他人に対する憎み、怒りよりも数十倍も強くなる。互いにすべてよく知った仲で、遠慮が取り払われた関係になると、抑制がきかないのです。

親子のように距離がなくて、密着していると、相手の心の中にドカドカと土足で上がり込むことになります。

一方、「親しき仲にも礼儀あり」という心得があれば、一定の境界線から互いに立ち入らないようにするものです。

「家族は特別なもの」というのは勘違いです。
言いたい放題を受け止めてくれるのが家族である、金が必要な時に家族なら貸してくれるのが当たり前だ、ということになれば不幸です。

お互いを自分の所有物であるかのように思ってしまう。感情をゴミ箱のようにぶちまけられる、それが近親憎悪が何十倍、何百倍にもなる所以です。

荘子に「、「君子の交わりは、淡きこと水の如し、小人の交わりは甘き醴(れい/甘酒のこと)のごとし」という言葉があります。

よく「水臭いじゃないか。遠慮なく言ってよ」という人がいますが、
遠慮しなくなったら人間関係はおしまいです。これは家族も一緒なのです。

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私自身は家族との関係はこの相談者と逆で、むしろ私のほうが家族にわがまま言っているくらいなのですが、「家族は特別なもの」というのは勘違い というところが響きました。

近しき人とに対しても、いやむしろ近しき人だからこそ、相手に執着しない、うまく距離を置く。

またまた考えさせられる回答でした。
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by hito2653 | 2013-08-03 21:18 | 雑感。