希薄な人間関係がイライラの原因になる理由―つまらないことが「重要」とされる環境―

希薄な人間関係がイライラの原因になる理由
―つまらないことが「重要」とされる環境―
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人間関係が希薄でお互いに干渉することを好まないというのは、現代人に特筆すべき特徴のひとつだと言われます。

私の経験では「うちの会社はどこに地雷が埋まっているかわかりませんからね」というビジネスマンの声が聞こえるようになったのは、90年代からのことです。
これは、「会社の命である責任ある仕事を任されても、地雷を踏むことがあるから、がむしゃらに突進するな」という意味です。002.gif

私が若い頃は、会社に仕事を命じられたらイケイケどんどんで、先輩同僚はもとより、他部門の人まで快く協力してくれたものです。

ところが、そんな幸せな時代は去り、いまではその気になって突進すると、どこからか思わぬ横やりが入ったり、梯子を外されたりして痛い目に遭うというわけです。031.gif

日本の企業のすべてがすべてでないでしょうが、こういう組織が増えるにしたがって、社内における信頼関係が薄れ、コミュニケーション不足が起こり、自分の守備範囲のことだけ頑張っていればいいという風土が生まれてきたように思います。

現代人の抱えるイライラの大きな原因はここにあるのではないでしょうか。
人間関係が希薄でお互い干渉しないという状態は、本人にとって決してリラックスできる状態とは言えません。022.gif

本当はやらなくていいこと、やるべきでないことに細心の注意をはらわなくてはいけないわけですから、それがストレスになるのは当たり前です。
自分の守備範囲のことだけをやり、相手のことはお構いなし、面倒が少なくてもいいかもしれませんが、そうではないのです。005.gif

現代のビジネスマンはずいぶん細かいことまで記憶しておかなければならなくなりました。
役員たちがどんな思惑を持っているかどうか、うちの部長はクセがあるから直球を投げちゃダメだとか、あの先輩はポジショントークがうまいから話半分に聞いておいたほうがよいとか
まるで登場するキャラクターの行動や性格を理解して得点を重ね、ステージをクリアしていくロールプレイングゲームのような日常を送らなくてはいけないわけです。071.gif

これでは
つまらない記憶が澱のように溜まり、イライラが高じるのも無理はありません。002.gif
そして、考えがまとまらなくなったり、本筋が見えなくなったり、正しい判断ができなくなったりするに違いありません。




これを読んで、ビジネスマンならウンウンと言いたくなる箇所も多いのではないかと思います。イライラの原因は人間関係が希薄である中で、「出世したい」「認められたい」という煩悩が働き、どうでもいい(?)情報をどんどん取り入れて自分自身を苦しめているわけです。ましてや「部長はクセがある」という情報も単なる他人の「刷り込み」であり、それは本当かどうかもわかりません。

上司や部下、他部署の人と、利害を超えた付き合いをし、本音ベースの中で、どうでもいい情報に振り回されないようにする。
あるいは「出世」という煩悩から一度離れ、自分を客観的に見てみる。
30代から40代の「働き盛り」世代は、こういうイライラに押し殺されそうになったら、一歩立ち止まってそうしてみるといいかもしれません。
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by hito2653 | 2013-01-18 23:25 | 読書