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「実学 中小企業のパーフェクト会計」を読んで      ~「在庫回転日数」~

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色々な業種ごとに指標の特徴はあるのだけれど、
どんな業種においても、ROAの管理と最大化を重要と考えるべし、と著者は述べています。

例えば、ホテルや製造業のような投下資本が大きい業種はそれ相応の利益をあげていないと、ものすごく低いROAになってしまいます。投下資本が多い分、いっぱい利益を上げなきゃいけないってことですよね。規模相応の利益を把握し、0.1%でも上げようとする努力、それによって貸借対照表の構造も変わってくるというのです。

ROAの数値を上げるには、投下資本が少ないほうが有利になるのは明らかです。

そこで、総資本の削減、といった考え方が出てくる。

遊休資産があれば、それを売却すれば管理コストもなくなるし、総資産が減って有効なのは誰の目にもわかるけれど、そもそも「遊休資産なんてない!」という中小企業の方が多いのでは?

一番手を付けやすいところからいえば、「在庫」
これも資産のひとつだから、これを減らせばROAは改善する。

在庫回転率の式は、
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となります。仮に年商1億円の会社が1,000万円の在庫を持っているなら、
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10回転ということになりますね。ということで在庫が1年に10回転しているということになる。

とはいえ、1年に10回転といってもピンとこないので、「在庫回転率」ではなく、「在庫回転日数」が使われます。
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したがって、この年商1億円、在庫1,000万円の会社は在庫の平均保有期間が約36日、ということになります。

じゃあ、この数値を改善させるためにどうやって在庫を減らしたらいいの?というところですよね。
在削減の基本は

①毎月棚卸の実施
②商品、原材料ごとの回転率の把握
③在庫の ABC分析
④アイテム数の削減
⑤仕入ロット規模の縮小


などです。
年1回の棚卸を毎月行うようになっただけで、飛躍的に利益が伸びた会社があったそうです。棚卸を毎月することが利益につながるなんてにわかに信じがたいことですが、把握することが自覚につながり、販売戦略等につながるとい事例なんでしょうね。
by hito2653 | 2012-08-26 12:33 | 診断士