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「般若心経入門」ひろさちや【日経ビジネス文庫】③迷惑をかけている自覚

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迷惑をかけている自覚

あなたの息子が大学に合格します。親にとってそれは喜びですが、そのとき、確実に一人はその大学に不合格になっているのです。一人が会社に入社できると、誰か一人は入社できなかった人がいます。迷惑をかけているのです。
あなたが家を建てて住んでいると、そこには誰も住めなくなります。ひとつしかないブランコに乗れば、ブランコに乗った人は乗れなかった人にやっぱり迷惑をかけているのですね。
わたしたちは、まずそのことを子どもたちにしっかりと教える必要があります。
そして、自分が他人に迷惑をかけているのを赦されているのだから、わたしたちもまた他人の迷惑を耐え忍ばなければなりません。

 道徳的には、他人に迷惑をかけないようにしよう、というのが正しいのです。

 しかし、仏教は違います。仏教は道徳ではありません。
仏教が教えているのは、他人から受ける迷惑をしっかり耐え忍びなさい・・・ということです。


わたしたちはみんなの迷惑を耐え忍んで生きねばならない。それが、仏教で言う「忍辱(にんにく)」です。忍辱波羅蜜とは「忍辱の完成」です。


今日、混雑した百貨店の地下(いわゆるデパ地下)で、肩がぶつかったことにひどく腹を立てていた紳士がいました。005.gifまた、しつけのなっていないよその子供に腹を立てる大人もいます。048.gif私だって、自分のことは棚に上げて、つまらないことに腹を立てることはあります。

本書では、迷惑を「耐え忍ぶ」のはつらいことなので、「こだわらない」ことであるといっています。こだわらない、執着しない、仏教では「空の思想」といいますが、現代で生きていくヒントがこの思想にかなりあると思います。
by hito2653 | 2011-01-03 21:31 | 読書