徹頭徹尾悪い奴なんていない ―半沢人気の裏にあるもの―
また半沢分析です。人気の理由には、「見ていてスカッとする」という感想が多いですね。
いかにも嫌な奴が上司で半沢の「刺客」となるわけです。それをバッサリと逆に切っていくわけですから。
ただし、実際の社会では切り殺されるか「返り血」を浴びるのがオチなのでなかなかできない。
そして、なんとなく人気の裏には、日本人が「病んでいる」現状があると思うんです。
このドラマは私も大好きなんですけれどもね。
よく言うところですが、現実社会は白黒はっきりしないことの方が多い。
半グレ集団でもない限り、まともな仕事をしている人間で徹頭徹尾「悪い奴」なんてそういない。
こんなに「分かりやすい設定」なんてほとんどないわけです。
苫米地本にも書いてありました。
「『イヤな気持ち』を消す技術」苫米地英人(フォレスト出版)-独りよがりの「信念」と強い怒り-
相手のことを許せないと思うのは、いずれのケースも「自分は相手にこれだけのことをやってきたのだから、自分の思い通りになって当然だ」と考えているからです。
そうした考えの根っこには必ず「自分はつねに正しい」という認識があるはずです。
逆に「自分は間違っているかもしれない」「相手のほうが正しいかもしれない」という考えはほとんどありません。
しかし冷静に考えてみてください。
常に自分のほうが正しい、という評価はいったい誰がしてくれるのでしょうか。
あなたは部下に裏切られた上司、とばかり思い込んでいるかもしれませんが、本当はあなたが部下を裏切っている上司かもしれません。
また、あなたは自分を上司に切り捨てられた部下だとばかり思い込んでいるかもしれませんが、本当は上司を切り捨てている部下かもしれません。
いや、「悪い奴」と決めつける自分自身が病んでいるかもしれない。
自分自身が「悪い奴」とされてやられる可能性だってあるわけです。
先般のブログで紹介した香山照之の
「やったことはやり返される」<リンク>
そちらのほうこそ肝に銘じなければいけないのかもしれません。