「和菓子のアン」坂本司(光文社文庫)
「和菓子のアン」坂本司(光文社文庫)
久しぶりに、面白い本を見つけた。
文章がライトノベルレベル、っていう酷評もアマゾンでありますが、すごく読みやすくて和菓子のちょっとしたウンチクが身につく。
そして、大好きな和菓子がもっと好きになる本。
ミステリーにカテゴライズされているけれど、ぜんぜんミステリーじゃない(^^;)
ちょっとした謎解きがストーリーの中に入っていて、洋菓子でなく和菓子だからこそ、謎や物語性があって面白い。
デパ地下が舞台となっていますが、デパ地下の舞台裏が見えてリアリティーがあって面白いです。
和菓子には季節性があるのもポイント。
5月・・・『おとし文』、『兜』、『薔薇』
6月・・・『紫陽花』、『青梅』、『水無月』
7月・・・『星合』、『夏みかん』、『百合』
8月・・・『蓮』、『鵲』、『清流』
9月・・・『光琳菊』、『跳ね月』、『松露』
12月・・・『柚子香』、『田舎家』、『初霜』
1月・・・『早梅』、『雪竹』、『福寿草』、『風花』
お茶のお稽古でよく使う、「水無月」や「亥の子餅」が縁起物であったり、込められた意味があることを初めて知りました。
また、上生菓子に使う、「こなし」が京都(または来京都から技術を継承した地区)特有のもので、関東の「練りきり」とは微妙に違うこともこの本で知りました。
ますます和菓子が好きになります。
単にパクっと食べておいしい、じゃなくていろんな意味を知って食べるとますます美味しくなりますね!