ややこしや、京都の不動産よ
京都って不思議な土地柄で、先ほどの金子さんの一般論が通じないところがあります。
・マンションの市場価格は建物の減価償却以上に下がる。
・労働時間が長くなるなか「職住接近」が必要性を増しており、職場から近い都市部が高家賃を維持できる。
こんなことを言うと反感を買いそうですが、他府県の人が「京都」って思っている場所ってすごく限られた部分なんですよね。碁盤の目に道が交差する、いわゆる田の字地区や、
東や北の方の(←すごく荒いですが)お寺の多い地区。
しかし、実際は「京都市」ではそういう地区は少なくて、ほとんどが雑多な新興住宅地区だったりするのです。
だから、そういう限られた地区のマンション価格は「下がらない」
希少価値があるのでむしろ買った時より上がっていることさえあります。
「(京都)ブランド価値」で無形の資産性があるため下がらない。
よって、金子氏の住宅ローンを支払っているのに、借金だけが残る、というリスクは相対的に低いと言えると思います。
また、「都市部の資産価値が高い」というのも、京都には当てはまりません。
昔から京都は「北」にいくほど土地の格式が高い、と言います。
よい例が上賀茂、下賀茂といった地区で、このあたりに住んでいる人は「ええとこの人」という印象になります。土地の価格も非常に高い。
しかし、立地的には交通の便が悪く、京都府外の人にはなんでそんなに高いのか理解できないかもしれません。
一方、京都は南に行くと「都落ち」と言って、格が下がってしまう印象にあります。
だから、駅が近くてものすごく便利な場所でも土地がものすごく安かったりします。
これも、京都府外の人には理解できない。
京都って、なんてややこしい土地なんだ、と思います。
最近、消費税率引き上げ前のラッシュなのか、京都府外のディベロッパーが田の字地区のマンション用地を買いあさっている傾向にあります。
希少地区と、そうでない地区との不動産価格の二極分化はますます広がっています。
何が正しいのか、よく分からないですが、京都でおうちを買うときは要注意です。