人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「いじめられている君へ」を読んで

朝日新聞の連載「いじめられている君へ」(「いじめている君へ」もあるが)シリーズが結構大人も考えさせられる内容で毎回読んでいる。

日替わりで有名人がコラムを書くもので、一番心に残ったのが、
漫画家の西原理恵子さんの回。

「いじめられている君へ」西原理恵子

いじめ、はなくならない。
いじめ、は子供だけでなく、おとなの世界にもある。

なのに、おとながいじめで自殺、という話はあまり聞かない。

その理由は、
・こどもは残酷である
・こどもは自分で「カネ」を稼げない。つまり自由がない

からだという。

西原理恵子の亡くなった戦場カメラマンの夫は言っていた。
「大人の兵隊よりも少年兵の方が簡単に人を殺してしまう」と。

戦場では怖い大人の兵隊でも、家に帰れば愛する妻がいて、愛する子供がいる、やさしいお父さんになる。けれど、少年兵は心が未熟で物事の重大性がわからず、時には大人よりも残酷なる、というのだ。

ひょっとしたらゲーム感覚で人を殺してしまうかもしれない。

「ありさん」プチプチ殺す3歳くらいの子供を
「かわいそうだからやめや」と小学校1年生くらいの子供が言っているのを見たことがある。
3歳の子供は、7歳の子供と違って、ありさんが「生きている」ことがわからない

つまり、幼すぎて「わからない」のだ。
そして、子供は親に養われている以上、自由がない。どんな残酷な世界でも「逃げられない」と感じて死を選んでしまう。

西原理恵子は言う「16歳まで生き延びてください。」と。

16になれば、いろいろな選択肢がある。そして何よりも、アルバイトでもしてお金を稼ぐことができるようになる。

そう、お金を自分で稼ぐってことは自由を手に入れるってことなんだ。

先日、大津の教育長が19歳の若者に襲撃されたニュースがあったけれど、
私がショックだったが、ネットでそれを賞賛する声があまりにも多かったこと。

「因果応報。同じ目に遭え」くらいならまだましなほうで、
中には「何で死ななかったの」とか、「とどめをしろ」みたいな書き込みが多かった。

さっきの少年兵の話じゃないけれど、教育長にも家族があるわけやんね。
確かに、隠蔽体質とか悪いところは多いけれど、世の中にはもっと悪い人もいるわけだし、身体的に傷つけて、溜飲を下げようっていう発想がおかしすぎる。

想像力が足りない、精神的に幼い人間が人を傷つける。「ネトウヨ」もそうだけど、「社会への怒り」が変なところへ向いた世の中こそ退廃の象徴に思えてならない。
by hito2653 | 2012-08-18 17:36 | 雑感。