人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「財務(金融)支援は再生のいわゆる発射台」

最近遊んでばかりの記事なので、真面目に(?)勉強したこと、感じたことの記録もしておきます!
今回の記事は、診断士がらみで、「中小企業再生」について。

「財務(金融)支援は再生のいわゆる発射台」
これは、中小企業再生の第一人者の先生の言葉。

「財務(金融)支援は再生のいわゆる発射台」_c0190486_2341469.jpg


債務の圧縮、リスケ等でB/S面の不安材料を払拭し、事業面の再生つまり、P/L面での再生に注力することで、
持続的に営業CFをかせぎ出す006.gif
、ということが再生への道筋と考えられます。

つまり、金融支援は事業再生の単なる「とっかかり」に過ぎないということですよね。

しかしながら、企業は目先の資金繰りに窮しており、また金融機関においても、B/S面の再生に偏重する傾向があります。上のスペースシャトルの絵で言えば、最初に金融支援という名の
「財務大手術」をドカーーンとやれば、あとは惰性でやり抜けて行けそうな感覚になる。005.gif

でも、実はその後に自力で営業CFがかせげなくて二次破綻に陥る会社が多い・・・007.gif

財務CFは天から降ってきたようなものです。その後の営業CFを自ら持続的に稼ぎ出せるかどうかで再生の可否が決まるのですが・・。

二次破綻の原因は、事業面での「再生計画」が不完全なものにとどまって、金融支援を受けるための「間に合わせ」のための計画で、中身も社長の心構えも全然詰まっていないまま見切り発車してしまう、というのも原因かもしれません
048.gif

本来であれば、再生計画に入る前に、今後の営業CF捻出の可能性を見出すため、「現状分析をしっかりと行う必要で、たとえば現状分析においては、再生支援協議会では必ず

「ビジネスモデル俯瞰図」
を作成するそうです。先生によると、本来これは早い段階で金融機関の担当者が社長と擦り合わせて作っておくべきものであるといいます。ビジネスモデル俯瞰図を見ることで、共通認識として「問題点」や「事業機会」を見出すことができ、また社長と一緒になって作成することで、社長の意識改革、金融機関のコンサル機能の発揮にもつながる効果もあるとのこと。

「再生計画」の作成は、現状分析から窮境原因の除去まで非常な労力がともなうものですが、不完全な再生計画のまま出発してしまい、再び窮境に陥った後のフォローのほうがよほど労力が必要!!!スタート時、いかに計画内容を詰めておくかが重要となるってことですね。
by hito2653 | 2011-06-27 23:57 | 診断士