「般若心経入門」ひろさちや【日経ビジネス文庫】
久しぶりにいい本に出会えました!というより、だいぶ前にかった本を発掘してきたもの。
「布施」のこころ
というのは、現代社会で物質的に満ち足りても精神的に満ち足りない人に対して大きな気づきになるでしょう。
特に「兎と亀」の話は目からうろこです。
兎と亀の話で、悪いのは「亀」だというインド人の話。
「だって、亀は兎を追い越していったのだろう。そのとき"もしもし兎さん、昼寝をしていてはダメですよ。『起きなさい』とひと声かけてやるべきだ。それが友情というものだろう。その亀には友情がないじゃないか」
インドは今はヒンドゥー教の国であり、仏教徒はほとんどいませんが、ヒンドゥーの教えの中に生きているといいます。
ひとつのものを分けて食べて、そのほうがおいしいと思える心、それが布施のこころ、といいます。
分けてあげた人が相手に、
「あなたが一緒に食べてくださったので、おいしくいただくことができました。ありがとう」と礼をいう。少なくともそういう気持ちでいる。それが布施のこころといいます。