「選択と集中」と「一社依存脱却」は矛盾しているか
他方、「戦略とは選択と集中である」という言葉をよく耳にする。
いったいどっちなんだ。とちょっと悩むことがあります
「選択と集中」と「一社依存脱却」は矛盾していないのか!!?
だって、特に中小の製造業などで汎用性の低い製品を一社ならずとも決まった数社しか販売先がなくて、リーマンショック時の生産調整で一気に売上がガタ落ちで倒産の危機に、そんな事例が山ほどある
だから、「一社依存からの脱却」し、幅広い新規顧客を開拓し、取引先を分散させリスクの低減をはかるというもの。これは一理ある。
しかし!!!!!これは「選択と集中」は矛盾していない。
この答えは、「ユニクロ」にあるのではないか
「マーケティングマインドの磨き方(東洋経済社)」では
「ユニクロのターゲットは広くて狭い」としている。これは一見矛盾しているように見えるけれど・・
≪以下本の引用です≫
どういうことかというと、ユニクロの服は、いま幅広い世代の老若男女に愛用されています。たくさんの人がユニクロの服を買っているという点においてはユニクロのターゲットはとても広いといえます。でも、どういうニーズで買われているかというと、極めてワンポイントです。「ベーシックでカジュアルなウェアを安く買いたい」というニーズだ応えていて、それ以外のニーズにはほとんど応えていません。(「マーケティングマインドの磨き方」P.74)
これらはマーケティングでいう「STP」(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)の話になってきます。
セグメンテーション(市場の絞り込み=選択)をする際に、「市場」(お客様)を属性だけで単純に切り分けるのではなく、自社の能力(強み)で喜ばせることのできるお客様を選び出す。
自社の強みを生かし、喜ばせられるお客様に対しターゲティングをし、「選択と集中」をする。
ターゲットに集中するのではなく、自己の「強み」に集中するのです。
このような視点を持てば「選択と集中」と「一社依存脱却」は矛盾していないということになります