人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「事実」の反意語は?

今日は組織診断の授業全2日の最終日。

前日の

①事実の洗い出し

②事実間の相互の関係を年頭にその原因・要因をさぐる

③本質的問題を分析する

④改善策を検討する

というステップ。006.gif

①から再度始めようということになったけれど・・・・

先生のおっしゃるに、みんなの「悪い癖」とは、「事実」を虚心坦懐にとらえないまま、イキナリ分析しようとする。048.gif
そして、判断にあったものは、過大評価、判断に合わないものは過小評価、もしくは切り捨てられる040.gif

そして「演繹法」だの「帰納法」だのの「リアリティーのない言葉遊び」に終始してしまう。それでは本質はつかめない。食えないコンサルタントになっていいのですか?と。「最後まで事実の積み上げをしてください。『答えはすべて書いてあります。』推論・仮説はひかえて下さい。する必要はありません!」

これまでの「思考法」などの講義では、帰納法などの基本的な考え方や、「仮説」を立てる思考プロセスが基本だったので、ちょっと面食らった感じは正直しました。 005.gif

そこで、マズ、うちの班では「事実」ってなんだーーーー!!!ってとこからスタートしました。幸い班員の方が、「事実」とは何か、ということについて、コンサル等の本で調べてきてくれていたので、頭の整理から始まりました。 070.gif

<・・・はじめに・・・「事実」の反意語は何か?という問いから。

・・・「事実」の反意語は「虚偽?」

・・ここでの答えは「ノー」ただしくは・・・

「判断」!!!!! 071.gif
たとえば、容疑者のアリバイでも、「事実」なら説得力がありますが、「判断」ならその説得力は半減してしまいます。

また、「事実」と「真実」も違います。「真実」かどうか、ということには「判断」が入ってしまいます。

例えば従業員が「給料が下げられたので、やる気が出ない」と言っている。
これは「真実」かどうかは分かりませんが、少なくとも従業員がそう言っているという「事実」はありますよね? 049.gif

他にも従業員の声として、
「クレームが増えたが、他部門のことで知ったことではない」
「社長がアイデアをだしてくれるのでそれにしたがっておけばいい」

などの声があって、診断士の二次試験みたいな感じに、今にも仮説を設定したうえで改善策を記述したくなります。・・でもそれはガマンガマン!最初に受け止めるのは、そういう声があったという「事実」だけ・・。

まずは愚直に「事実」を洗い出す作業。気が遠くなりますが、それを行うことで自然と、着実に「答え」は見えてくるとのことでした。当然「仮説」を立てる方が楽です。でも「仮説」では本質は見えない・・。「仮説」で切り捨てられた情報、事実の中に「本質」があったら、取り返しがつかないよね、ということだそうです。 013.gif

私たちの班は、班員の人がちゃんと調べてきてくれていた「事実」の定義をもう一度確認してから、与件文(実際に先生が担当された診断企業の生の事例)に入ったので愚直に「事実」を抽出する作業という方向性は間違ってはいませんでした。 049.gif

与件文に書いてある、「社長のリーダーシップによるX社の発展」とか「人材の視点から経営課題の解決を目指すべきものと考え」というところすら「事実」でなく、「判断」だ、と切り捨てました。

その結果、うちの班だけ唯一、一応の「解」を得ることができたのです。

つまり与件文の一番最初に書いてあった「社長は従業員の意識改革に取り組むべきものと考えている」最後に書いてあった「(社長は)①営業力の強化②技術力の強化③コストダウンの実現④組織力の発揮を経営課題として掲げている」ことについて・・・

はじめに誰もが疑わなくて飛ばし読みしていた部分だったんですが、上記は「事実」であって、「真実」ではないのでは?

本当に組織がうまく機能していないのは「従業員」のせいなのか。
環境が変わったため、社長の思うような「戦略」はまるで従業員に伝わっていない。本当の問題は、「従業員」ではなく、すべて「従業員のせい」にして「従業員よ、お前たちは変われ」という‘社長の姿勢’自体に「問題」があるのではないか・・・・・。

それが一応の「解」でした。実際先生も事例企業に対し、
そう諭した。もちろん「社長、あんたが悪いんじゃないの?」なんてお金もらって言えるわけがないので、
「従業員にあ、社長変わったと見えるようにしませんか」と言う風に水を向けたそうです。すると、明らかに会社の雰囲気が変わってきたそうです。

まるで謎解きのようでしたが、こんな訓練を行っていました。
先生のおっしゃるに「本に書いてあるような『仮説思考』のコンサルタントが非常に多い。しかし、『仮説思考』から『その企業ならでは』の『本質的問題』は出てこない。企業は本に書いてあるようなことは求めていない。」ということでした。

最後に先生のはなむけの言葉は、
「食えないコンサルタントが自分自身が食えないからここの中小企業大学校の教壇に立っているのなら、その生徒は食えるコンサルタントになれるわけがない。民間の学校は往々にして『仮説思考』しか教えない。それは、『いいお店は人に教えて雰囲気が変わっちゃったらイヤだから教えない』のと似ている。他機関とは違うノウハウの学べるこの中小企業大学校でしっかり学んでください」と。072.gif

うむ。よいところへきたようだ。(笑)056.gif
by hito2653 | 2010-01-07 18:11 | 診断士