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地下の喫茶店のおばはん

会社のビルの地下に喫茶店があるんだけど、建物自体がほんま古くてボロくて

その地下の喫茶だから、かなり怪しげな感じで

「誰が行くねん」

って思っていたんだけれど、結構お客は来るみたい。

金曜日昼当番やったので、なんか興味があったから一人で行ってみた。

入っていくなり、「ランチあります?」というと、

スプーンおばさんみたいな髪型して化粧が濃くて太ったママさんが、「この世の終わり」みたいな悲壮な顔して、

「いやーーーえらいこっちゃ。今日はねー。カレーの仕込みに来ただけやったんやけど。ピラフだけやったら出来るよ。えびピラフ。ごめんねええ」

・・・「じゃあやめときます」を言わせる余地すら与えられておらず、結局一人カウンターに座ることになった。

お客は私以外におじさんの2人組み。そのおじさんに出すコーヒーを入れながら、

「ちょっと待っててね。やりだしたら早いさかいに!!ごめんねええ」

と言って、コーヒーを出した後、私の席に水を。

・・・おもいっきし「水道水」に氷入れただけなんやけれども^^;

「ピラフピラフうううう」って独り言言って出してきたのが思いっきり
「業務用」って書いてある冷凍ピラフ。

卵を必要以上に強くカーンと流し台の角で割って入れて。

「ごめんねえ お待たせええ」

と言って置いてくれた。一人で食べてると。色々と話しかけてこられた。

「今日は研修かなにかで来てはるん?」
(よく上の階が貸し会場として研修会場などに使われているのだ)

「いいえ、このビルの1階で働いているんです。」

「あー、そうやの」

などと一通りしゃべってから、今度は置くの方で缶ジュースのオレンジジュースを激しくふってる。

で、氷の入ったグラスへ。

ここの商品は缶ジュースかえ!!と思ったら、

「これサービス」とか言って置いてくれた♪

色々はなしていたけれど、どう見ても「くさい」感じがする。

「水商売」のにおい。仕事のお客さんやプライベートで上司にスナックに連れて行かれて水商売の人と接するきっかけが多くなっていたので、なんとなくそういう嗅覚が働くようになった。

水商売っぽくて水商売でない人、水商売っぽくなくて水商売な人。

しゃべってたらやっぱり前職はスナックだったみたい。

このおばさんの場合はモロだった。だって。「アルバイトの子が今日はいない」って言うとき、「アルバイトの子」のことを「おんなのこ」って言ってたから。

私はスナックとか水商売のおばさんはなぜかとても好きだ。
人あたりがよくて、しゃべりで、世話焼きで、ほめ上手で、温かみがある。


「こういうねーー。飲食の商売やって40年や。22でお店もってもう63やでええ」

と聞いてもないのに年齢を言ってくれた。

「でも好きなんやろうね、『人』が。
いっぱいうちに人が来はんねん。何度も見てるぅってちゅうてんのに、子供の顔見せるとかゆうて」

おばはんの話をうなづいて聞いていたら、最後のアイスまでサービスしてくれた。

怪しげだと思ってたけど、こーゆーママだから客が来るし潰れないんだなって思った。「商いは人」ですからーー。